カーリング普及委員会

カーリングの情報や個人的感想を述べていきたいと思っています。カーリング普及の一助となれば幸いです。日本カーリング協会等とは無関係の非公式サイトです。

第34回日本カーリング選手権 終幕

日本選手権全日程終了しました。

 

男子はSC軽井沢クラブが札幌に完勝し、5連覇を達成しました。

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優勝 SC軽井沢クラブ
準優勝 札幌
第3位 チーム北見

 

女子は中部電力が前年優勝のLS北見を下して3年ぶりの栄冠に輝きました。

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優勝 中部電力
準優勝 LS北見
第3位 富士急

 

感想については後日。

 

第34回日本カーリング選手権 5日目

予選全日程が終了しました。

 

女子予選最終試合は、これがこのチーム最後の試合となる札幌学院大学と今季結成したばかりのチーム東京。最後にこのカードが組まれるというのは何とも運命的なものを感じてしまいますね。札幌学院大学はチーム妹背牛(Winter Friend)として、高校生の時代から頭角を現し始めて、札幌国際大学の後のジュニア世代を支えたチームでした。今は、軽井沢ジュニアチーム、青森ユース、そしてチーム東京がジュニア世代を支えています。まさに新旧ジュニア女王対決でしょうかね。

この試合、青森vs富士急戦の結果次第ではタイブレークの可能性もあるという重要な試合でした。ただ、富士急が早々に勝利してタイブレークの可能性は無くなってしまいます。それでも最後の試合を飾るべく白熱した戦いとなりました。

東京 01020 10201 7

札学 10200 01010 6

チーム東京は1試合毎に強くなっていく感じがしましたね。課題は色々あるんでしょうが、結成1年目ですから来年以降が楽しみな存在です。ただ、日本選手権には富士急という関東の壁を越える必要がありますが。

札幌学院大学の皆さんはお疲れ様でした。これが最後というのは本当に残念ですけど、メンバーの何人かは何かしらの形でカーリングは続けていかれるのでしょうかね。個人競技と違って中々チーム競技では、社会人になっても一緒に続けていくというのは中々難しいものです。

 

この結果、女子は

1位 LS北見

2位 中部電力

3位 北海道銀行

4位 富士急

となりました。女子は波乱がほとんど無く、下馬評通りに上位4チームが残った形となりました。その中でも中部電力は、4番手評価にされていた方が多い中、2位に食い込んできたのはワールドカーリングツアーの序盤に見せた調子の良さが戻ってきた感じでしょうか。LS北見よりもフロントが安定しているので、LS北見にとっては最大の脅威だと思われます。

北海道銀行はリードの近江谷選手は安定しているのですが、セカンド、サードがイマイチ調子に乗れていないのが心配なところですね。

富士急はLS北見戦で大量得点差になりながらも粘り腰を見せたのは実力がある証拠なんでしょうが、調子の浮き沈みが激しいのが難点です。

LS北見は、フロントの調子がイマイチで、スキップの藤澤さんも何か力が抜けるところがあって安定感に欠けるところがあります。それでもサードの本橋選手が好調で、藤澤選手も決めなければならないところは確実に決めてくる辺りは、さすが世界2位の実力といったところでしょうか。やっぱり強いです。

 

一方男子は、タイブレーク戦の結果以下のとおりとなりました。

1位 札幌

2位 SC軽井沢クラブ

3位 チーム荻原

4位 チーム北見

今年の北海道勢は頑張りました。タイブレークに敗れたとはいえ札幌学院大学も最後まで残りましたからね。逆に昨年準優勝のチーム東京が最下位と男子予選の混沌を生んだ最大の要因となってしまいました。チーム東京は今までの日本選手権では、どの会場でもそれなりに成績は残してきただけに今回の結果は謎ですね。

また、絶対王者SC軽井沢クラブがまさかの2位通過というのも驚きです。国内チームにはまず負けないだろうと思っていましたが、わからないものです。ただ、SC軽井沢クラブが同じチームに連敗というのは現状ではちょっと考えられないので、優勝最有力候補である事には変わりません。

そのSC軽井沢クラブに唯一土をつけた札幌ですが、大会序盤不調だった阿部選手の復調によりチーム状態が上昇。さらにサードの松村雄太選手が大会通じて絶好調なだけにSC軽井沢クラブにとっては最大の脅威ですね。特に穴といったところは見当たらず、プレーオフ初戦は今までに見られないレベルの試合が期待出来そうです。

最終戦勝利して3位に滑り込んだチーム荻原は、札幌に唯一勝利したチーム。スキップ荻原選手はLSDで優秀な数字を出しているだけに、それが試合に出るようであれば予選の札幌戦のように波乱を演出する可能性があります。それにはサードの岡村選手がどれだけスキップにいい形でパスできるかがカギとなりそうです。

4位に入ったのは古豪チーム北見。チーム北見のキーマンはスキップの澤向選手の調子如何に尽きます。正直、ここ2試合見てきましたけど絶不調といっても過言では無いと思います。柴谷選手が良い形にして回しているだけに、決めるところをきっちり決められれば上位チームと好勝負も十分可能でしょう。

第34回日本カーリング選手権 4日目

予選も終盤戦となりました。4日目を終えて現在の勝敗表を見てみましょう。

 

女子

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LS北見が中部電力、富士急と強豪との連戦でしたが、見事に連勝して7戦全勝で首位を快走。明日、1敗で追いかける北海道銀行との直接対決を残すのみとなりました。LS北見がこのまま突っ走るのは見る側にとってはちょっと面白くないので、北海道銀行さんには明日頑張って欲しいですね。

なお、今日の結果をもってLS北見、中部電力北海道銀行の3チームがプレーオフ進出を決定しました。残り1チームは4勝3敗の富士急が濃厚ではありますが、3勝4敗の札幌学院大学、東京が直接対決の為、どちらかは4勝4敗となり富士急の勝敗如何によってはタイブレークになる事も。

 

男子

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盤石と思われていたSC軽井沢クラブが今日ついに土がつきました。その相手はやはり一昨年も苦戦した札幌。札幌のサード松村選手のショットが素晴らしく、手が付けられない状態でした。

そんな訳で6勝1敗同士の2チームがプレーオフ進出を決定。チーム北見、青森CA、札幌学院大学、チーム荻原の4チームが残り2枠の席を賭けて戦う訳ですが、チーム荻原とチーム北見の最終戦は直接対決の為、チーム荻原が勝てばタイブレーク、チーム北見が勝てばそのままチーム北見がプレーオフ進出となります。

勝ち星では4勝3敗と先行している札幌学院大学は最終戦が首位の札幌戦でかなり不利な状況。ただし勝てばプレーオフ進出は決定で、負けても荻原、青森次第ではそのままプレーオフ決定、最悪でもタイブレークには持ち込めます。

青森CAは最下位が確定した昨年準優勝のチーム東京との対戦。チーム東京が最後の意地を見せてくるような事があれば青森は厳しいところですが、最下位決定によってモチベーションが下がっているようであればチャンスは十分あります。

 

ちなみにチーム北見、青森、札学、荻原4チームが4勝4敗で並んだ場合は、4チームのDSC(各試合前に投げたドローショットの平均距離)が短い順に仮の順位を決め、3位vs6位、4位vs5位で同時に2試合行い、勝った2チームがプレーオフ進出となります。(上位2チームが決定しているので3位から)

また4勝4敗が3チームだった場合は、これもDSCで仮順位を決めて3位のチームはプレーオフ進出決定、4位と5位でタイブレーク戦を行う事となります。

第34回日本カーリング選手権 3日目

今日のこの試合はチーム北見vs岡山CA。

 

共にプレーオフ進出ラインギリギリなだけに落とせない試合でした。

 

5~6年前でしたらチーム北見が圧勝していた事でしょう。それが今や互角の勝負が出来るようになるとは、誰も想像は出来なかったでしょうね。

 

Ustream配信で残念ながら映像は残されていないので、試合展開はうる覚えですが、振り返ってみます。

 

<試合解説始め>

後攻スタートながらも第2エンドから3連続スティールを許してしまう岡山CA。ウエイトコントロールが全くダメで、逆に3失点で凌げたのはラッキーだったと思います。第6エンドで岡山CAがようやく1点を取り1-3。岡山CAは徐々に調子を取り戻しつつありましたが、第7エンドで再び大量失点のピンチをむかえ、これで終わりかと思ったところ、またもやチーム北見が決めきれずに1得点のみ。岡山CAに流れが向き始めました。

第8エンドで岡山CAがついに2点を取ると、第9エンドで1点を取らせて岡山CA2点ビハインドの状態で第10エンド。

記憶が定かでは無いのですが、カムアラウンドしようとしたストーンが手前のストーンに当たってしまって、これがうまい具合にロールしたような気がします。これで出来た2点コースを堅持して5-5の同点に。

これが岡山CAのよくある展開なんですよね。前半にリードを許して、もうだめだと目を離していると、後半いつの間にやら同点、逆転してたりするんです。チーム北見が試合序盤で勝負を決めきれなかったのが、このような展開になった要因ではあるんですが、岡山CAがそれだけプレッシャーをかけていた、という事なんでしょう。

エキストラエンドに入っても岡山CAはセンターガードとその裏にNo1ストーンを保持したままフォーススキップ藤中選手のラスト2投まで繋ぎます。チーム北見はガードをピールアウトしながらひたすら耐えていました。そして藤中選手の第1投。No1ストーンのガードをNo1ストーンからちょっと離した位置に置きたかったのですが、これが上手くいかずにガードは出来たもののNo1ストーンにかなり近い位置に止まってしまい、これをチーム北見がダブルテイクアウトで勝負あり。藤中選手のラストショットは素晴らしいフリーズショットでしたが、センターががら空きでは流石にチーム北見もミスはせず1点をもぎ取りました。

<試合解説終わり>

 

岡山 00000 10202 0 5

北見 01110 01010 1 6

 

この1勝によってチーム北見が通算3勝2敗とし、プレーオフ進出に1歩前進。逆に岡山CAは2勝4敗となり、これからは1つも落とせないギリギリのラインとなってしまいました。

<男子順位表>

1位 SC軽井沢クラブ 6-0(残り札幌、東京CA)

2位 札幌 4-1(残りSC軽、札学大、チ東京)

3位 チーム北見 3-2(残り青森CA、チ荻原、東京CA)

4位 青森CA 2-3(残りチ北見、チ東京、チ荻原)

4位 札幌学院大学 2-3(札幌、岡山CA、チ荻原)

4位 チーム荻原 2-3(チ北見、青森CA、札学大)

4位 東京CA 2-3(SC軽、チ北見、岡山CA)

8位 岡山CA 2-4(札学大、東京CA)

9位 チーム東京 1-5(青森CA、札幌)

 

SC軽井沢クラブが早々にプレーオフ進出を決定。札幌が数字的にはちょっと抜け出た形ですが、SC軽井沢クラブ戦も残しているので、3連敗すれば一気に圏外の可能性も。他はチーム東京を除いてまだまだ横一線状態ですかね。

最下位チーム東京も上位3チームが残り全勝で抜け出せば、プレーオフ進出の可能性は残りますが、可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。昨年準優勝のチーム東京には厳しい結果となってしまいました。

第34回日本カーリング選手権 2日目

今日のこの1試合はLS北見vs札幌学院大学

 

男子の札幌vsチーム北見も面白い試合だったと思うのですが、何せ第8-9エンドしか見れなかったもので。

 

LS北見は第1エンドで3点を取ると第3エンドでも大量得点のチャンス。藤澤選手のラストショットが決まれば4~5点を取って試合を決められたところでしたが、これを決めきれずに2得点。それでも5-1で大量リードだったのですが、この一投で試合の流れが変わり始めました。

第4エンドでも藤澤選手のラストショットがスルーしてしまい札幌学院大学が2得点。さらに第5エンドでも札幌学院大学北口選手のラストショットが絶妙に決まって1点をスティールして4-5。序盤の楽勝モードから一転して緊迫した試合展開になり、流れは俄然札幌学院大学に。

LS北見はこの試合通して中々ショットが決まらず、中盤から後半にかけては防戦一方という非常に苦しい試合でした。対して札幌学院大学は、中盤以降は押しながらも、もう1点が取れなかった。第7、9エンドで2点取れるチャンスをモノに出来ていればLS北見に与えるプレッシャーも違ってきただけに惜しまれる試合でした。

北見 30200 1010x 7

札学 01021 0101x 6

ただ、世界2位のチームにあわやという試合を見せてくれた札幌学院大学は、今後面白そうな存在になりそうです。対してLS北見はかなり課題が残る試合内容でした。

 

ところで本ブログで個人的に押していた男子チーム岡山CAですが、昨年の日本選手権1位~4位の上位チームと立て続けに当たりながら2勝2敗で乗り切りました。プレーオフ進出には明日の午後のチーム北見戦が大きなカギとなりそうです。

第34回日本カーリング選手権 初日

各日注目の試合を1試合取り上げていきたいと思います。

 

が、仕事から帰ってからだと各日第4試合目の女子の試合しか観れないので、結果的に女子の試合を取り上げざるを得ないところですが…。

 

初日はやはりTV放送もあった中部電力(中電)vs北海道銀行(道銀)でしょう。

 

本ブログでも取り上げた、いわゆる”女子4強”の2チームの激突。

【ここからは試合の解説です。長文キツイ方は解説終わりまで読み飛ばして下さい】

中電後攻開始で試合序盤は、両チーム共に様子見のブランクエンドが続き、動きが出たのは第3エンドから。中電がNo1を持ってのラストショットでしたが、思った程に曲がらず1点止まり。大きく試合が動いたのは続く第4エンド。

No.1、2を中電が持った状態での道銀のラストショット。ドローショットで1点を取りに行くもこれが届かずに中電が2点スティールします。単純に道銀のミスと捉えられがちですが、道銀がドローウエイトにかなり苦戦しているのを見て、ドローショットを強いる展開に持って行った中電の作戦勝ちだったと思います。

その後も中電はフロント(リード、セカンド)が高い精度でセットアップを決めるのに対して、道銀は中々セットアップが上手くいかずに中電優位にゲームは進みます。

ゲームを決めたのは3-1で中電リードの第7エンド。

後攻は中電。中電がラスト2投、道銀がラスト1投を残してNo.1、No.2が道銀。No.3とNo.4が中電という構図。(図があると分かりやすいのですが、今はそのツールが無いのでそのうち)

中電が取った作戦は狙いやすいNo.2をヒットし自身のストーンをロールさせ、No.1をヒットさせやすい位置に動かす事。No.1はこの時点で取れませんが、これによりNo.2~4までが中電のストーンになる事で相手に複数点を与えるリスクを最小限にとどめられる事、と次のショットでNo.1を手前の自身のストーンを使って叩きだす事が出来る、という目論見があった作戦でした。

ただ、その目論見が外れ道銀のNo.2を出せたもののロールはせずにNo.1はそのまま。直接狙うには難しい位置に道銀のNo.1は健在となります。

ただ、ステイしてNo.2~4を中電のストーンにした事から、道銀側は万が一No.1を出されれば大量失点、という心理が働いたのでしょう。ハウスの前は中電のストーンで固められ、ドローでハウス内に入れるのは困難。また中電のストーンに当てるとNo.1に飛んでしまう危険性もあるという事で、道銀のラストショットの選択はNo.1のガードという、ウエイトコントロールに苦しんでいる道銀にとっては超難関のショットが残されてしまいました。

結果これが上手くいかず。中電がラストショットで狭いガードストーンの間をすり抜け、道銀のNo.1ストーンだけ叩きだして大量4得点。ここで勝負あり。

 

第7エンド松村選手の第1投のヒットステイ。これがすべてでした。下手にヒットロールしていれば左(投げる側からは右)のドローラインが空いてしまい、そこを突かれる可能性があったのです。(道銀が上手く行くかどうかは別にして)そのドローラインをヒットステイさせる事で消せたのは、道銀の次の選択を大いに悩ませ、ガードストーンを置くという取らせた結果になってしまいました。道銀はラストNo.1ストーンへのフリーズでも良かったと思うんですけどね。ただこれはかなり難しいショットで今日のドローショットの精度では自信が無かったんでしょう。

それに加えて松村選手のラストショットは素晴らしかった。一投目は結果オーライでしたが、ラストを完璧に決めるあたりは流石です。

【試合解説終わり】

 

道銀 00001 001xx 2

中電 00120 040xx 7

 

勝敗を分けたのは互いのフロントの出来と、ウエイトコントロールの差です。中電リードの石郷岡選手とセカンドの北澤選手は素晴らしい出来でしたね。あれだけセットアップで上手くいくと、試合展開が凄く楽になります。今後も勝ち続けて、かつての女王復活を期待しています。

道銀さんは、本ブログでも本命に上げていますので、今後の巻き返しに期待しましょう。